paradrew101 streamer · GTA VI
ゲームキャラクターの顔のクローズアップ。光るシアンのグリッドで縦に二分され、左半分は紫のポリゴン面でできた粗いローポリ、右半分は肌のディテールまで作り込まれたフォトリアル。周囲には色付きの矢印で描かれたモーションベクターと深度マップの半透明パネルが浮かび、右下にはネオンに照らされたグラフィックスカードが置かれている

DLSS 5 の導入方法:実際に動いた手順と、私がはまった5つの罠

丸一日かかった。手順が難しいからではない。ネット上のガイドがどれもうまくいった場合——一発で動いた ケースだけを書いているからだ。動かないときのことは、どれも黙っている。

ここに書くのは、その足りない部分だ。どの工程で壊れたのかをログからどう突き止めるか。なぜ半数の人が 「全部入れたのに何も変わらない」で止まってしまうのか。そして失敗の最大の原因が Mod ではなく、誰も見て いないゲーム内のたった一つの設定だという話。

すべて自分のマシンで確認した。RTX 5070 Ti、ドライバ 616.56。2本のゲームで動かし、3本目で壁にぶつかり、 その壁が何なのかを突き止めた。

9月6日更新。 その後 DLSS 5 は正式にリリースされた。とはいえ以下の内容が古くなったわけではない。 公式に対応しているゲームはちょうど1本で、NVIDIA App に「どこでも有効化」のスイッチは付かない——他は 今も手作業で入れることになる。何が変わったかは最初の2節に、以下の本文にはビルドの版数の更新と製品版で の計測を足した。

DLSS 5 とは何か、なぜいまも Mod として出回っているのか

DLSS 5 は出た。2026年9月3日、ドライバ GeForce Game Ready 616.64 と同時のリリースだ。ただし喜ぶには 早い。公式に対応しているゲームはちょうど1本、NBA 2K27 だけで、動くのは RTX 50 のみ。RTX 40 への対応は 後日と約束されている——NVIDIA は先に50番台で仕上げると言っている。RTX 20 と 30 には何も約束がない。

そして肝心なのはここだ。NVIDIA App に DLSS 5 のスイッチは付かない。ニューラルレンダリングを有効に するかどうかはゲーム開発者の判断であり、アップスケーラーにあるような「DLSS 5 Override」は来ない、と NVIDIA がはっきり認めた。予告されているタイトルの一覧は長い——Assassin’s Creed Shadows、Starfield、 Hogwarts Legacy、Resident Evil Requiem、Oblivion Remastered、Phantom Blade Zero、NARAKA: BLADEPOINT ほか十数本——が、日付の付いたものは一つもなく、Rockstar のゲームも Kingdom Come もそこには入っていない。

だから以下に書いたことは何も古びていない。NBA 2K27 以外でニューラルレンダリングが欲しければ、自分の手で 入れることになる。入れるのは、その NBA 2K27 の早期アクセス版から見つかった 158 MB のライブラリ nvngx_dlssnr.dll だ。中には 1億4800万個のニューラルネットワークのパラメータが入っている。これ単体では 何もしない。ゲームのフレームを横取りしてモデルへ渡す仲介役が要る。その役目を果たすのが、コミュニティが RenoDX プロジェクトを軸に作った ReShade 用アドオンだ。

DLSS 5 が実際に何をするのかは理解しておきたい。これはアップスケーリングではない。アップスケーリングは DLSS 4 のほうで、解像度を作り出す。ニューラルレンダリングは完成したフレームに対して働き、光や質感、表面の 細かな構造を作り直す。とくに顔と肌で目立つ。だからこそ、この技術への最大の批判も「美肌フィルター」だ ——強度を上げすぎるとキャラクターが蝋人形のようになる。

始める前に飲み込んでおくべき結果が二つ。

  • 流出ファイルから作られた非公式ビルドである。 法的な意味での海賊版ではないが、NVIDIA の配布物でも ない。Discord とアップローダーを渡り歩いている。
  • マルチプレイでは出番がない。 ゲームのプロセスに外部ライブラリを注入する行為だ。アンチチートは それを明確に検知し、代償はアカウントの停止になる。シングルプレイ専用と考えること。

正式リリース:Mod なしで今すぐ動くもの

記事でいちばん短い節だ。Mod の要らないところに Mod を入れずに済むよう、先に書いておく。

  • ドライバ — 9月3日付の GeForce Game Ready 616.64 WHQL。NVIDIA App かサイトから入れる。
  • ゲーム — NBA 2K27。Video Settings → DLSS Neural Rendering で有効にする。試合中は F9 で 切り替わるので、同じシーンで「前と後」を正直に見比べられる。
  • グラフィックスカード — RTX 50 ならデスクトップでもノートでもよい。ほかに GeForce NOW Ultimate と いう手もある。中身は RTX 5080 だ。
  • RTX 40 — 約束はされているが、後日、日付なし。

リリースがそもそも成立した理由は、数字ひとつで説明がつく。NVIDIA は半年でモデルを 5倍 速くした。 「RTX 5090 が2枚必要」だったものが、ラインナップのどの1枚でも動くようになった。それでタダになった わけではないが(性能の節を参照)、配れるようにはなった。

最初のレビューからひとつ観察を。公式の実装は Mod よりかなり穏やかだ。NBA 2K27 の効き方は、Modder が 他人のゲームで振り切っているものに比べて控えめで、蝋人形のような顔にはならない。Mod で撮られた 「DLSS 5 ON/OFF」の比較動画で技術を判断していたなら、NVIDIA が出しているものは見ていないことになる。

必要なもの

四つ。すべてゲームの実行ファイルの隣に置く。ここで早くも一つ目の細かい話——exe は思っている場所に あるとは限らない。

ファイル何か入手先
ReShade 6.8.0 Addondxgi.dll として入るreshade.me
renodx-dlss5.addon64仲介役のアドオンRenoDX の Discord
nvngx_dlssnr.dllニューラルネット本体、158 MBRenoDX の Discord
nvngx_dlss.dllアップスケーラー、できれば新しいものTechPowerUp

ReShade の行はよく読むこと。 サイトにはダウンロードボタンが二つある。必要なのは二つ目、 with full add-on support と書かれたほうだ。通常ビルドはアドオンを読み込めない——「Add-ons」タブが そもそも存在しない。二人に一人はここでつまずく。

ドライバは 616.56 以降。アドオンも OptiScaler のフォークも、それだけを求める。NBA 2K27 の公式 DLSS 5 には 616.64 が要る。それより古いと、ニューラルネットは起動しないかゲームごと落ちる。

導入手順:DLSS を持つゲームの場合

基本形は、設定に DLSS がすでにある DirectX 12 の現行タイトルだ。Kingdom Come: Deliverance 2 を例に話す。 罠の見本市がそこに揃っていたからだ。

手順1. 本当の実行ファイルを見つける。 KCD2 ではルートではなく Bin\Win64MasterMasterSteamPGO\KingdomCome.exe にある。サイズはわずか 1.5 MB——薄い殻でしかなく、 レンダラーは隣の 85 MB の WHGame.dll に丸ごと入っている。DLSS 5 の自動インストーラーがこのゲームを 拒んでいたのはそのためだ。exe のインポートテーブルを読み、DirectX が見つからず、「ここにゲームはない」と 宣言していた。その代表格はその後まるごと書き直されたが(下で触れる)、実際にレンダリングしているのは どのファイルかを確かめる習慣は残しておきたい。ランチャーの薄いゲームではどれでも役に立つ。

手順2. ReShade を入れる。 その exe を指定し、Direct3D 12 を選ぶ。同梱のシェーダーパックや アドオンのチェックはすべて外す。どれも要らない。

手順3. ファイルを配置する。 アドオンと nvngx_dlssnr.dll を実行ファイルの隣へ。ゲームの DLSS ライブラリが別フォルダにある場合(KCD2 なら Bin\Win64Shared)、ニューラルネットは両方に置く。 大きいファイルだが、158 MB が二つあっても破産はしないし、どちらから読み込まれるのかという疑問が 消える。

手順4. ゲーム内で DLSS を有効にする。 ここは飛ばさないこと。下にまるまる一節を割いている。

手順5. ゲームを起動して Home キーAdd-ons タブを開き、DLSS 5 Neural Rendering の項目を探す。 そこで主スイッチ Enable DLSS Neural Rendering をオンにする。初期状態ではオフだ。

そのあとスライダー類。NR Intensity は 0.5 から始め、Automatic Mask は必ずオンにする(これがないと モデルはフレームのどこが肌なのか分からない)。そして NR Preset は一通り試す。これは本当に別物の モデルが三つあるということで、どのスライダーよりも差が大きい。

ログで確認する

どのガイドにも載っていないのがこの部分だ。画面を見て推測せず、実行ファイルの隣の ReShade.log を見ること。 動いているかどうかを、これがはっきり答えてくれる。

成功を意味する3行。

signed DLSSNR 310.8.0 D3D12 runtime initialized
created inline NR resources 1280x720 -> 2560x1440 (upscaling)
inline feature 18 evaluation succeeded (count=60)

count はフレームごとに増える。増えているならニューラルネットは本当に計算しており、残りは味付けの 話でしかない。

動いていない場合の診断は3通り。

ログの内容意味
skipped an NGX evaluation with incompatible guide/output dimensionsアドオンから DLSS は見えているが、そのゲームのバッファの渡し方に対応できていない。アドオンのビルドを替える
フックは掛かったが呼び出しが一切ないゲーム内で DLSS がオフになっている
Registered add-on の行そのものがないReShade のビルドが違うか、アドオンのファイル名が正しくない

そして、理由もなく人を怖がらせる一行。

ERROR | Failed to find NVSDK_NGX_D3D12_EvaluateFeature_C

これは無害だ。 アドオンはエントリポイントの候補を順に試し、1ミリ秒後には通常のものに掛かっている。 完璧に動作している構成でもこの行は出る。私はこれで1時間を失った。

私がはまった5つの罠

1. アップスケーラー一覧の「Native」は「オフ」の意味

いちばん厄介で、いちばん多い。グラフィック設定で技術(DLSS / FSR / XeSS)を選び、その隣で品質モードを 選ぶ。そしてその一覧に Native がある。

理屈からすればネイティブ解像度、最高画質のはず。実際の意味は「アップスケーラー無効」だ。DLSS は まったく起動せず、ニューラルネットは横取りするものがなく、揃えたファイル一式は死んだまま置かれる。

私は最初から正しく組めていた構成のデバッグに半日を使った。ログは沈黙したままで、原因はドロップダウン 一つだった。

2. グラフィック設定メニューは入るたび設定を書き直す

モードを設定してメニューを出ると、ゲームは変更した項目だけでなく画面にあったものすべてをプロファイル に書き込む。別の項目を見にもう一度入ると、アップスケーラーのモードが黙って元に戻っている。

三回続けて引っかかったあげく、値をプロファイルのファイルに直接書くようにした。設定が「保存されない」なら、 まず間違いなくこれであって Mod ではない。

3. ボーダーレスウィンドウはゲームの解像度を無視する

美しい罠だ。ゲームの設定には 2560×1440 と書いてあり、2K で遊んでいるつもりでいる。実際には——

Windows がアプリに申告する値:      2560x1440
グラフィックスカードが実際に出す値: 3840x2160

モニターは物理的に 4K で、Windows の拡大縮小(スケーリング)は 150% になっている。ボーダーレスウィンドウ では、ゲームはデスクトップの物理解像度を採用し、自分の設定を無視する。本物の全画面(排他フルスクリーン) に切り替えれば直る。

確認は簡単だ。PowerShell の Get-CimInstance Win32_VideoController がカードの実際のモードを表示する。 ゲームで選んだ値と食い違っていれば、「なぜこんなに重いのか」の答えはそこにある。

4. ニューラルネットはレンダリング解像度ではなく出力解像度で計算する

性能面での肝であり、まったく自明ではない。

DLSS のモードが決めるのは、ゲームが描く解像度だ。ニューラルレンダリングは完成したフレーム、 つまり出力解像度で働く。ここから面倒な結論が出る——Quality から Performance へ落とすとゲームは軽くなる が、ニューラルネットは軽くならない

効くレバーは出力解像度だけだ。4K から 1440p へ落として、ちょうど 2.25 倍になった。ピクセル数の比率 そのままである。

5. アドオンのビルドが古い

最終的にすべてを解決したのはこれだった。三世代遅れのビルドと丸一日戦っていた。

インストーラーが配っていたもの   382 KB
動いたビルド                    1.62 MB   (V4.6)
現時点の最新                                v4.7

ハッシュで裏も取った。人気の「ワンクリック」インストーラーが持ってきたのは、手元にあった古いファイルと バイト単位で同一の代物だった。新しいビルドがあるのは RenoDX の Discord のピン留めメッセージで、 ほぼ毎日出ている。うちで V4.6 が動きはじめてから5日のあいだに v4.7 が出た。いまはその設定に外部の オーバーレイまでつながる。

現行版を置いた途端、ほかを何も変えずに初回起動で動いた。

DLSS のない旧作

こちらは別の話だ。ゲームに DLSS がなければ横取りするものがなく、基本の手順は使えない。

最大の壁はビット数だ。 アドオンもニューラルネットも 64 ビットのコードとしてしか存在しないのに、旧作の 多くは 32 ビットで、32 ビットのプロセスは 64 ビットのライブラリを読み込めない。

迂回路は三つ。

  • DLSS5-Feeder は足りないデータ——深度とモーションベクター——を ReShade 経由で合成し、32 ビットの ゲームには別途 64 ビットの補助プロセスを立てて、テクスチャをビデオメモリ経由でプロセス間に渡す。 DirectX 9 にはさらに dgVoodoo2 が加わる。ゲームを DirectX 11 に翻訳する層だ。
  • OptiScaler は以前はゲーム自体に DLSS を足すだけで、そのあとは基本の手順が通った。8月末からは フォークの OptiScaler_DLSSNR があり、こちらは ニューラルネット自体を走らせる。アップスケーラーの後に別パスとして掛かるので、ReShade も RenoDX の アドオンも要らない。9月3日時点で DX12、ブリッジ経由の DX11、ネイティブ Vulkan に対応し、アドオンに ない機能もある。モデル解像度のスライダー(以前は 100% で頭打ちだったが、いまは上へも動き、出力側に ダウンスケーラーを噛ませて 2倍 まで)と、まったく同じフレームで「前と後」を比べるためのフレーム 固定だ。導入はゲームのフォルダに展開して setup_windows.bat を実行するだけ。nvngx_dlssnr.dll は 同梱されないので、自分で置く。
  • RTX Remix。そのゲーム向けの対応 Mod があるなら。

いちばん結果が良いのは最後で、最良の例が GTA IV だ。Mod gta4-rtx は太古のレンダラーをパストレーシング付きの現代的な ものへ丸ごと置き換え、その上にニューラルネットが標準的な形で乗る。コミュニティでは、DLSS 5 との相性が いちばん良いゲームとまで言われている——2008年の作品なのに、である。

条件は二つ。バージョン 1.2.0.59 ちょうど(Complete Edition)が必要で、CPU がボトルネックになる覚悟が 要る。Mod の作者もそこははっきり警告していて、コアを固定するためのバッチファイルまで同梱している。

GTA IV:ReShade を使わない道

このケースは節を分けるに値する。ここまでの話とはまるで作りが違うからだ。GTA IV では ReShade も RenoDX のアドオンも要らない。

Mod gta4-rtx は古いレンダラーを RTX Remix に差し替える。 Remix 自体が 64 ビットで、Vulkan の上で動き、DLSS 5 を標準でサポートしている。足場は一切不要だ。 nvngx_dlssnr.dllNvRemixBridge.exe の隣、.trex フォルダに置くだけでいい。

残りは Remix が自前で持ってくる。nvngx_dlss.dllnvngx_dlssd.dll(ほかのどのゲームでも手に入らなかった Ray Reconstruction)、そして nvngx_dlssg.dll だ。

どこで有効にするか

ここが最初の罠。Alt+X で開くのは簡易メニューで、そこには画質プリセットしかない。ニューラルネットは 二つ目のメニューに住んでいて、そこへ行く道は二つある。

  • 開いたメニューの Developer Settings Menu ボタンを押す。
  • あるいは rtx.confrtx.defaultToAdvancedUI = True の行を書き足す。すると Alt+X が最初から正しい ほうを開く。

その先は Rendering タブ → Post-ProcessingNeural Uplift (DLSS-NR)。スライダーの意味は アドオンと同じで、IntensityStyle(0〜2)、Local Tone StrengthAuto Mask。一方で Hint Render Preset をいじっても無駄だ。ライブラリ 310.8 では何も選ばない、とランタイム自身が説明文に 書いている。

ログで確認する

ログは別物で rtx-remix\logs\remix-dxvk.log にある。成功の4行はこれだ。

[DLSS-NR] Loaded .trex\nvngx_dlssnr.dll
[DLSS-NR] Caller check bypassed
[DLSS-NR] Snippet initialized
[DLSS-NR] Created the Neural Uplift feature (id 18, preset 0) at 3840x2160

面白いのは2行目。ライブラリの中には呼び出し元のチェックが入っていて、どのモジュールから呼ばれたかを 見て、部外者をはねる。Remix はこれに対して nvngx.dll だと名乗り、通過する。うまくいかない環境向けに 明示的なスイッチもある——rtx.neuralUplift.bypassCallerCheck だ。

ほかでは出会わない三つの罠

1. Windows Defender が Mod を食べる。 a_gta4-rtx.asi はインジェクターが読み込むライブラリで、 アンチウイルスはその動き方そのものを理由に消しにかかる。しかも二度続けて——インストーラーが戻し、 Defender がまた持っていく。外から見ると「Mod は入っているのに何も起きない」という顔をしている。ゲームの フォルダを除外に登録するか、保護の履歴から隔離されたファイルを復元すれば直る。

2. フレームリミッターはモードを変えるまで黙っている。 FusionFix のフォークには GTAIV.EFLC.FusionFix.iniFpsLimit があるが、そのコメント自身がこう書いている——値が読まれるのは ゲームのメニューで Custom モードが選ばれているときだけ。ほかのモードではファイルは無視され、何も しない設定をいじっていることになる。

フレーム上限はここでは他のどこよりも効く。パストレーシングはカードを丸ごと使い切るので、上限は 画質を落とさずに余裕を作れる唯一の手段だ。

3. OBS がゲームを見つけない。 ウィンドウは GTAIV.exe のものだが、フレームを作っているのは NvRemixBridge.exe で、Game Capture は別のプロセスに掛かってしまう。おまけに排他フルスクリーンは ウィンドウ一覧にすら出てこない。使えるのは Display Capture か、Alt+Enter でウィンドウモードに移ることだ。

期待してはいけないこと

キャラクターはカクカクしたままだ。 置き換えパックが覆うのは車両、光、エフェクト、背景オブジェクト。 スケルトンを持つメッシュ——アニメーションで変形するもの——を Remix は差し替えられない。近寄れば 2008年の 正直なジオメトリが見え、パストレーシングは硬い光でその面の一つ一つをかえって際立たせる。これは DLSS 5 でも高ポリゴンのモデルパックでも直らない。後者が扱うのは物であって、人ではないからだ。

GTA V Enhanced:BattlEye と赤い警告

ここには固有の障害が二つあり、どちらも時間を持っていった。

BattlEye が dxgi.dll の読み込みをブロックする。 ランチャーのログに「ファイルの読み込みをブロック しました」という行が出て、ReShade はそもそも起動しない。Steam のゲームのプロパティで起動オプション -nobattleye を付ければ解決する。そのあとゲームは Online に入れなくなるが、正直これは保険でもある。 インジェクターを入れた状態で入ってはいけない場所だ。

赤い「設定を保存できません」の警告。 セッションの間ずっと画面に居座り、ファイルの権限を確認しろと 助言してくる。この助言は嘘で、権限はまったく関係ない。

GTA は一つのプロセスの中に ReShade のランタイムを二つ作る。モード選択画面用と、ゲーム用だ。両者は 一つの ReShade.ini を共有していて、競争に負けたほうがそれを掴めず、苦情を画面に書き出す。権限、属性、 相対パスと絶対パス、設定ファイルの分離、プロキシライブラリの名前、ランタイム同期用のアドオン、ReShade の 再インストール、Defender のフォルダー保護、BattlEye——一通り試した。どれも効かない。

外側からは直せない。 原因は ReShade の内部にあり、このメッセージを黙らせる設定は存在しない。 ニューラルネットの動作にはまったく影響しない。目障りなだけだ。

性能と配信

高くつくものだと覚悟しておくこと。流出ビルドでのコミュニティの計測では、RTX 5090 で性能が 40〜45% 落ちると言われていた。90 fps から 29 fps へ落ちたという報告もある。

いまは製品版の数字も出ている。RTX 5090 の NBA 2K27、レイトレーシング込みの最高設定。

解像度DLSS 5 なし / あり の fps代償
1080p180 → 134−26%
1440p176 → 108−39%
4K— → 63−50〜60%

代償が解像度とともに膨らむのが見てとれる。これがまさに4番目の罠だ。ニューラルネットは出力解像度で 計算するので、その値段は DLSS のモードではなく画素数に付いてくる。(1080p ではさらに CPU で頭打ちに なっている。1列目の 180 と 176 がほぼ同じなのはそのためで、実際の代償はそこでも 26% より大きい。)

私の環境では 5070 Ti、1440p、DLSS Quality で 60 fps——垂直同期に張り付いた状態で、GPU 使用率は 97% だった。

そしてここが配信者に固有の不幸だ。使用率 97% ではエンコーダーに回る分が残らない。NVENC は同じカードに 住んでいて、順番は最後になる。ゲームの映像は滑らかなのに、配信のほうが途切れる。回線のせいにされがちな 古典的な図だ。

効くのはこのあたり。

  • フレームを制限して余裕を残す。上限ではなく使用率 85〜90% を狙う。
  • 配信中はニューラルネットを切る。 気持ちのいい話ではないが正直なところ、いまの DLSS 5 とカード1枚での 配信は両立しない。
  • DLSS のモードではなく出力解像度を下げる。理由は罠その4のとおり。

実務的な細部:排他フルスクリーンでは OBS に Game Capture が要る。Display Capture ではなく——後者は 真っ黒な画面を返すことがある。

新しいビルドの入手先

最新のファイルがある唯一の場所は RenoDX の Discord だ。#dlss5 チャンネルのピン留めメッセージに アドオンのビルドとパッチ済みライブラリが置かれ、#dlss5-forum にはゲーム別のスレッド、#guides には 出来合いのレシピがある——Skyrim、Fallout 4、Witcher 3、S.T.A.L.K.E.R. 2、Metal Gear Solid 4 など。

公開インストーラーやアップローダーのパック類は遅れている。実際に確かめた。オールインワンを謳う ものが持ってきたのは3日前のビルドで、その3日のあいだに更新が二つ出ており、うち一つはまさに私の問題を 直すものだった。

前の段落への但し書き

一週間でこれは無条件の真実ではなくなった。8月30日に私が痛い目を見たバージョン 1.1.1 の DLSS5-Swapper は、ゼロから書き直された。9月4日には 2.2.1 に達し、別物の道具になっている。Steam、 Epic、GOG、Xbox のゲームを自分で見つけるライブラリ、DLSS を持たないゲーム向けの DLSS5-Feeder 内蔵、 エミュレータのプロファイル(DuckStation、PCSX2、Dolphin、PPSSPP、Xenia)、32ビットの DirectX 9/10/11、 そしてゲーム内から現行の RenoDX アドオンの設定を動かす F8 のオーバーレイ。「ランチャーの薄いゲームを 見つけられない」という不満は、古い版の話だ。

それでも原則は変わらない。少し緩んだだけだ。ビルドの日付を見ること。この界隈は何もかも週単位で動く ので、3日より古いオールインワンはまた古びている。

なお RTX 20/30/40 にはパッチ済みの nvngx_dlssnr.dll が必要になる。これらのカードに存在しない命令を 置き換えたものだ。同じピン留めメッセージにある。RTX 50 では通常版でいい。

やってはいけないこと

無駄に終わった試みの短い一覧。一晩を節約してほしい。

  • 何かが直ることを期待して ReShade のプロキシライブラリの名前を dxgi.dll から d3d12.dll変えないこと。 ReShade は自分のファイル名に関係なくすべてのグラフィックス API にフックを掛ける。 名前が決めるのは、Windows がそれをどう読み込むかだけだ。
  • 別のゲームの Streamline のライブラリを持ち込まないこと。 バージョンが合わず、Streamline はそれを 照合して丸ごと落ちることがある。動いていた DLSS まで道連れにする。
  • ゲームが対応していないなら Ray Reconstruction を追いかけないこと。 エンジンの対応がない nvngx_dlssd.dll は、ただフォルダに転がっているだけだ。
  • 「ログからエラーを消す」ためにアドオンの Enable Upscaling をオフにしないこと。 互換性は直らず、 診断だけが黙る。目を潰すぶん、むしろ悪化する。
  • NVIDIA App のスイッチを待たないこと。 来ない。ニューラルレンダリングを有効にするかはゲーム開発者 の領分だと NVIDIA が認めている。アップスケーラーには Override があるが、ニューラルネットには付かない。 アプリをいくら更新しても同じだ。
  • マルチプレイに入らないこと。 三度目になるが、この一覧で金がかかるのはここだけだ。

まとめると、一式を揃え、ゲーム内で DLSS が有効になっていることを確かめReShade.log を見て、 アドオンのビルドが新しいことを確認する。4点だけで、そのうち3点を人は飛ばしている。なお、遊びたいのが NBA 2K27 なら何も要らない。ドライバ 616.64 と、映像設定のスイッチだけだ。

関連するものとして、当サイトにはPC版 GTA VI について分かっていることがある。動作環境と、 Rockstar が表明している技術を追っているページだ。

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